ヘアカラーを調べてる時にエアタッチって言葉をよく見るんだけど、一体なんだろう?
このような疑問を解決します。
- エアタッチのメリットや向いている人
- エアタッチとバレイヤージュの違い
- エアタッチに関するよくある質問
この記事を書いている僕は、都内某有名サロン→フリーランス→海外という経歴で美容師歴14年です。
かれこれエアタッチを3年間やり続けています。
インスタやツイッターなどでヘアカラーを調べていると頻繁にエアタッチという言葉を目にしますよね。
エアタッチの大きな特徴としては以下の4つが当てはまります。
- キレイなグラデーションが作れる
- 4〜6ヶ月放置可能
- ロングヘアーに向いている
- ブリーチ無しでもエアタッチは可能
この記事を読むことで、エアタッチに対する疑問やエアタッチのメリット・デメリットが分かると思います。
ではさっそくエアタッチについて見ていきましょう!
エアタッチとは?
エアタッチ最大の特徴はドライヤーを使い、キレイなボケ具合を作るということ。
エアタッチの発祥は曖昧なのですが、最初はロシアを中心とした欧米でブームが起きて2018年頃からは日本でも取り入れられるようになりました。
エアタッチのメリット
エアタッチのメリットは以下の2つがあります。
- ボケ具合
- 退色後も綺麗なデザイン
ボケ具合
エアタッチ最大のメリットは一言でいうとボケ具合です。
上記の画像はエアタッチで作っていますが、根本から毛先まで自然と馴染んでいるのが分かりますね。
このボケ具合はドライヤーを使って作っていきます。
この記事は美容師さん向けではないから、エアタッチの作り方は省略するよ!
美容師さん向けにはもう一つのサイト、美容師海外移住計画のバレイヤージュのやり方徹底解説でまとめています。
綺麗なデザイン
エアタッチは基本的にブリーチを使った施術なので、色落ちはどうしても通常のヘアカラーに比べて早くなります。
でも想像してみてください。
- 色落ちしても綺麗にデザインが見える
- 色落ちしても自分で色のメンテナンスが可能
数カ月たってもエアタッチ独特のボケるようなデザインや、ブリーチ特有のはっきりとした色味を自分でも維持できるならもう通常のカラーリングには戻れないですよね。
ではエアタッチをした2週間後の色味、デザインはどうなるのかこの画像で比べましょう。
先ほどの画像ですが、適度にコントラストを入れつつ退色してもぶっつりと境目が出ないようにエアタッチで施してあります。
これが2週間後にはこうなります。
時間が経つにつれて中間辺りのコントラストがよりはっきりと見えるようになっています。
中間の明るい髪に入っていた色素が抜けることで、よりバキバキっとしたデザインに見えてきます。
人によってはこっちのデザインが好きという方もいるので色味が落ちることもメリットに代わる可能性がエアタッチにはありますね。
髪色を抜ききってしまえば紫シャンプーのみで維持していく事も可能だよ!
エアタッチはブリーチによるデザインに力を入れます。
極限まで地毛とブリーチ毛の境目をボカし、色味が抜けた後でも綺麗なデザインが保てるように施術していきます。
グラデーションのようにエアタッチを使う事もしますし、下の画像のように根元の方から明るく仕上げるようにエアタッチを使う事もあります。
エアタッチは滑らかなグラデーションと、退色後も綺麗なデザインを維持することができる。
と捉えてしまってOKです。
エアタッチのデメリット
エアタッチのデメリットには以下の2つがあります。
- 同じ美容師でないと継続的にできない
- 髪が痛む
同じ美容師を薦める理由
エアタッチはドライヤーを使い、染める場所と染めない場所を分けていきます。
しかしこの工程はヘアカットと強く関係しており、エアタッチはAさんでカットはBさんという感じにしてしまうと綺麗にカラーを維持できません。
髪が痛む
皆さん気になるのがエアタッチを行う上でのダメージ具合。
ブリーチを使っての施術になるので当然ダメージは出てきますが、最近ではプレックス系のトリートメントが充実して来ているので、これらをうまく使ってあげればダメージは極力抑えることができます。
オラプレックスやボンドフュージョン、スマートボンドといったブリーチから髪の毛を守ってくれるトリートメント
エアタッチはブリーチでのデザインや工程は変わりますが、ブリーチを塗布するという事は変わりません。
したがって従来ブリーチカラーなどと髪の毛のダメージ具合はなんら変わらないという事です。
ブリーチワークは奥が深いです。明るくすればいいだけではありません。いかにムラなくダメージを抑えて塗布するかが重要になります。
やみくもにただブリーチを塗布する美容師さんよりも、しっかりと髪の毛の事を考えて施術してくれる美容師さんを探しましょうね。
エアタッチにかかる料金と時間は?
時間
エアタッチはかなり繊細にブリーチを塗布していきますので、時間がかかってしまいます。
僕の場合だと
- アシスタントに手伝ってもらう場合は3時間~3時間半。
- 一人でやる場合だとおよそ4時間。
急いでいる人にとっては厳しいので時間に余裕を持っていきましょう。
料金
美容院によって変わりますが、相場は15,000円〜30,000円です。
エアタッチが盛り上がっているロシアを始め、ヨーロッパなどの欧米では軽く日本円換算で4万、5万は超えてきます。
僕の働いているサロンはそれに比べ比較的リーズナブルですが、それでも日本円換算で3万5000円ほどです。
今後日本のサロンでのエアタッチ料金が導入されるかはまだ分かりませんが、恐らくバレイヤージュの値段とそこまで変わりない料金になるのではないかと予想できます。
日本は美容院の料金が安いから、海外に比べるとリーズナブルにエアタッチを体験することができるね!
エアタッチとバレイヤージュの違い
エアタッチと似たスタイルでバレイヤージュがあります。
バレイヤージュはスジ感を出した高明度のスタイルを作る際によく使われる手法です。
圧倒的な支持を得ていましたが、髪色が抜けてくるとどうしても髪色にムラが出てしまったり、ぶつっとしたブリーチのデザインが出てきてしまいます。
なぜ退色後のデザインが綺麗にならないのか。理由は以下の通りです。
- バレイヤージュはフリーハンドでブリーチを塗るので美容師のスキル差が出やすい
- 感覚で塗るので、場所によってはムラができる
バレイヤージュはブリーチでデザインする時点でボケ具合を作っていない。
正確に言うと極限のボケ具合を作れない工程だということです。
ブリーチをした後に色味を入れることで綺麗なグレージュやシルバー、ホワイト系の髪色は簡単に作れますが、ブリーチカラーはナマモノです。1週間ほどで色味は抜け、黄色いブリーチ毛が姿を現します。
バレイヤージュを行う際に、ブリーチで綺麗にボケ具合を作っていないと色味が抜けた後に悲惨なベースが出てきます。
もちろん退色後をしっかりと考えてブリーチワークをする美容師さんもいますが、大多数はカラーリングによってボケ具合を作っていく手法になります。
この方法だとメンテナンスは大変になりますし、何度もブリーチをしなくてはいけないということになります。
では次にエアタッチとバレイヤージュが向いている髪の長さを紹介するよ!
エアタッチに向いている髪の長さ
エアタッチはドライヤーで髪の毛を落としながらブリーチ塗布をするという特殊な工程上、もっとも綺麗な仕上がりになるのはミディアム~ロングです。
ボブや肩に当たるくらいのレングスでもやろうと思えばできますが、正直無理やりエアタッチをやる意味はないのかなと思います。
個人的にはこのぐらいの長さがエアタッチの利点を最大限に得られるギリギリの長さですね。
バレイヤージュに向いている髪の長さ
バレイヤージュは全ての髪の長さに対応できますが、個人的にはショートから肩下のミディアムに一番適しているのかなと思いいます。
極限のボケを作れるというエアタッチのメリットを考えると
- ミディアム〜ロングの人はエアタッチ
- ショートレングスの人はバレイヤージュやブリーチ全頭カラー
上記のような感じになります。
ただエアタッチをすればいいというわけではなく、髪の長さに合ったデザインをする事が重要です。
エアタッチのよくある疑問
ここからはお客さんからよく聞かれる質問をまとめていきます。
エアタッチは白髪染めでもできる?
いつも白髪染めを根元に使っているけど明るい髪色、綺麗なデザインにしたい!という方。
大丈夫です。
根元の白髪をカバーしながら毛先にもデザインは入れられます。
そして根元の白髪染めを今後も同じ周期で続けていく事が可能です。
しかし、毛先に白髪染めの履歴があればまずはブリーチで白髪染めのカラー履歴を取る必要があり、完全なシルバーやアッシュにするのは白髪染め染料の関係上難しいです。
このようにベージュやブラウンでも妥協できるというのであればエアタッチはあなたにとって理想的なカラーデザインになります。
エアタッチはブリーチ無しでも大丈夫?
髪のダメージが気になる、金髪になるのが嫌だという人はブリーチ無しでもこのように施術可能です。
ちなみにこの方はカラーをしたことが無い、地毛が黒のアジア人ですが一回でここまで綺麗に上がりました。
エアタッチでブリーチの代わりにヘアカラーを使うメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- ブリーチによるダメージを抑えるので髪の手触りや質感は通常のカラーと同じ
- コントラストも出せるので立体感やメリハリを出すことも可能
デメリット
- 色味の選択が赤一択
- 色味が退色した後にはブラウンベースになる。
ブリーチ無しでエアタッチを作る場合はデザインの工程上大丈夫ですが、色味の選択が限られます。
通常のカラーで一番見やすい、はっきりした色が赤色になるのでコントラストがあるようなスタイルにははっきりしたした色を使わないとグラデーションカラーになってしまいます。
これをアッシュ系やブラウン系で作っていくとどうしてものぺっとしたスタイルになるのでオススメはしません。
エアタッチの頻度はどのくらい?
エアタッチの頻度は基本的に6ヶ月周期をオススメします。
- 6ヶ月未満→地毛が短すぎてうまく中間〜毛先にデザインを繋げられない
- 7ヶ月以上→根本の黒い地毛が伸び切ってしまい、手入れしていない感が出る
以上のことから美容師にとってもお客さんにとってもベストなエアタッチの周期は6ヶ月と言えます。
エアタッチ後のヘアカラーはどうすればいいの?
基本的にはブリーチを使っての施術になるので、色持ちはよくありません。
およそ2週間で髪色は抜けてしまいますが、ヘアカラーに関しては好みによって方法を変えてあげるのが良いかと思います。
明るい髪色が好き
このような場合にはサロンでのヘアカラーを行わないで、自宅でのムラサキシャンプーやピンクシャンプーをオススメします。
ブリーチ毛に繰り返しカラーをすると、カラー剤に含まれるブラウンが徐々に髪に残り、結果として暗く見えます。
カラーシャンプーやカラートリートメントは髪の表面に付着するので髪の内部に残ることがありません。
オススメのカラーシャンプーは以下のどれかを使っておけばOKです。
落ち着いた色が好き
仕事や学校の都合で明るい色が難しいのであれば、カラーリングを1ヶ月に1回はしてあげましょう。
その際に、仕上がりを暗くすることで色持ちも良くなりますし、退色の過程を楽しんでいけるので一石二鳥です。
最近はホットペッパービューティーで家の近くのサロンやリーズナブルなサロンもすぐに探せるのでまだ使ったことがなければオススメです。
まとめ
バレイヤージュもまだまだ人気で、圧倒的にオーダーが多いのも事実です。
しかしメンテナンスの維持や、退色後のデザインを考えるとエアタッチのほう理想的なのかなと思います。
ブリーチを使っての施術になるので当然ダメージや色の退色問題はありますが、しっかりとお家でのケアをしてあげるだけで綺麗に、楽にエアタッチを楽しむことができます。
個人的にエアタッチはオススメです。