夏を中心に多くなってくるブリーチ。今では外国人風カラーやバレイヤージュなどの流行もあり、ここ最近は年中季節問わず増えてきています。
しかしながらブリーチの良いところ悪いところ、ブリーチの弊害などを知らないで後悔するお客様がよくいらっしゃいます。
明るくできるけど、実は知らないこともたくさんあるブリーチというものについて少しお話していきます。
ブリーチのメリットとは
- 色味を綺麗に出せる
- 1回で明るくなる
- 外国人風やバレイヤージュが簡単にできる
ブリーチのいいところについては主にこの三つがあります。
中でも有名なのは色味を綺麗に出せることと、1回で明るくなるということです。最近では、ハイライトやバレイヤージュが流行っているのでこれらを行う際には必須となっています。
では一つずつ説明していきます。
色味を綺麗に出せる
基本的にアッシュなどのカラーリングは黒髪にしっかり入れたとしても綺麗に発色してくれません。黒髪からは少し茶色いな〜というぐらいにしかなりません。
明るいところにアッシュと言われる青色を入れることで外人風や綺麗な透明感を生み出すことができます。
少し他のものを例えて説明すると、黒い画用紙と白い画用紙があるとします。
黒い画用紙に青や赤、黄色などの色鉛筆で絵を書いてもそこまでハッキリと何が書いてあるか分からない。
しかしこれが白い画用紙の場合、青や赤、黄色などの色鉛筆で絵を書いたら何が何色で書いてあるかわかります。
極端な例ですが、髪の毛も同じで元が黒いところにいくらキレイな色を塗布したとしても綺麗に発色してくれません。
ブリーチはこの黒の画用紙を白の画用紙に変えてくれるような薬剤です。
俗に言う原宿系や渋谷のギャルなどは一度ブリーチをして綺麗なアッシュや赤などの色味を入れています。
通常のアルカリカラー(おしゃれ染め)を何度もしただけではビビットな発色を得ることは難しいです。
1回で明るくなる
過去に一度もカラーやパーマもしたことなく、初めてブリーチをするという方はかなり明るくなります。美容室でよく聞くレベルで言うと12レベルになります。
しかしながらきれいな黄色になることはなく、オレンジや赤みが強く出てしまいます。これはアジア人特有の髪質によるもので、欧米人の場合は1回で黄色味に近い明るさにすることができます。
黄色にならなかったからといって、アッシュや赤が入らないわけではありません。一度ブリーチをしてあげればほとんどの場合綺麗な透明感や色味の強いカラーをすることができます。
残念ですが、紫やシルバーは2,3回ブリーチしないと無理ですね。
ブリーチでバレイヤージュやハイライトが簡単にできる
最近よく耳にする言葉ですがバレイヤージュや外国人風といった髪色、髪型はブリーチをすることによって簡単にすることができます。
簡単とは言いつつも元のベースの明るさが重要にはなってきますので一概には言えませんが黒の髪色から透明感があり、立体感なるような髪色にするにはいくつかの手順を踏む必要があります。
ここでは詳しく説明しませんが、インスタで見るような綺麗な髪色は全てブリーチ必須となっております。
ブリーチで失敗しないために
今まで話してきた中でブリーチのいいことを見ていると、今すぐにやりたいという気持ちになるとは思います。
しかしブリーチをすることでの弊害を知らないとのちのち後悔することになるかもしれません。
ブリーチをすることによっての弊害は以下の3つがあります。
- 退色のスピード
- 抜けた後の色味
- ダメージ
この3つはブリーチとする上で避けては通れないものになります。
ではまた1つずつ見ていきましょう。
退色のスピード
ブリーチの後に希望の色味を入れてきれいに仕上げるとは思いますが、ブリーチは退色のスピードがとても早いです。
これはブリーチ特有の強いアルカリ性によるもので、髪の毛のキューティクルが開きやすくなってしまいます。そしてこのキューティクルが開いていると中から色味がどんどん流出してしまうので退色のスピードが速くなってしまいます。
これはアッシュ系や赤などの色味だけではなく仮に黒色入れたとしても比較的抜けやすくなります。
シルバーや青色、赤色などの原色に近い色味はおよそ1~2週間ほどで元に戻る。
黒や茶色など比較的地毛に近い色を入れたとしても1ヶ月ほどでかなり明るくなる。
これは髪の毛にブリーチ履歴が残っている限りは同じことの繰り返しになります。
ブリーチをした後に綺麗な色味が入ったとしても、抜けやすくなってしまいますので繰り返しカラーをする必要があります。お客様では月に1回ほどを目安にカラーをする方が多いですね
抜けた後の色味
抜けた後の色味に関してはブリーチの後に入れた色にもよりますが、基本的には黄色やオレンジなどが出てきます。
黒染めをブリーチの上にした場合は、明るめの茶色になります。
日本人は地毛が黒に近い方が多いのでブリーチが抜けてきてしまうとプリンがいる目立つ人がほとんどです。
ブリーチをする方は繰り返しのカラーか、カラーシャンプーなどで退色を遅らせてあげることが大切になります。
ダメージ
これは多分知っている方も多いとは思いますが、ブリーチをしてしまうと髪にかなりの負荷をかけることになります。
そしてこのブリーチによるダメージは様々な弊害を起こしますが中でも代表的な2つが
- 髪が溶ける
- ストレートパーマやパーマは不可能
ということです。
髪の毛が溶けるというのは、段階として
手触りが悪くなる
↓
縮れる
↓
溶けて切れる
という順番です。
このような状態になるとお客様からもよく聞くのですが、髪の毛が死んでいるということ。
美容師的に髪の毛が死んでいるというのは
- 濡れているときに髪の毛を一本引っ張って、ビヨーンと伸びる
- 乾いている時に簡単に髪の毛がちぎれる
- 髪と髪を軽く擦り合わせると白い粉が出る
このような状態になっていると何も施術をすることができず、髪の毛が死んでいるという言葉を使います。
まぁ元から髪の毛は死んだ細胞なんですけどね。
よくカウンセリングの時に1年前にブリーチをしたということを聞きますが、重要なのはいつブリーチをしたかではなく髪の毛にブリーチをした場所が残っているか残っていないかです。
髪の毛は絶対に治らないので、一度ダメージを与えてしまうとそこの場所を切るまでは他の施術に影響を与えることになります。
ストレートパーマやパーマ、デジタルパーマは基本的にブリーチ毛に施術しません。
無理やりパーマをかけたとしてもカールが出ることはなく、ただダメージを与えてしまうだけなります。
しかしどうしてもかけたいというあなた!諸刃の剣ですが…
デジタルパーマやパーマを先にして、その後にブリーチをする。
明るくなり、カールも少しつきますが、その後の髪の質については保証できません。
髪の毛をスーパーロングからショートにするのであればアリかなとは思いますが、僕はブリーチ毛に対してパーマやストレートをすることはめったにありません。
基本的にはお断りしています。
ちなみにバージン毛からブリーチを3回ほどやるとチリチリになったり溶けたりします。ただ、中には7回8回やっても溶けない人もいたりします。
まとめ
3月に入ってくると、主に高校を卒業したお客様が髪を明るくしたいと美容院へいらっしゃいます。
ありがたいことなんですが、大体のお客様はブリーチへの知識をあまり持っていません。
髪の毛を染めたあと1ヶ月ほどは満足するのですが、2ヶ月ほど経つとダメージがすごいのとまた金髪になってしまい後悔する人が多いです。
美容師側が最初にこれらのこと全部を説明できれば良いのですが、やはり全部を説明できない美容師さん達もいらっしゃるみたいです。
僕たちもカウンセリングのときにブリーチがもたらす弊害について説明していますが、これから髪の毛を明るくするという人たちもこれらの情報を少しでも頭に入れておくとスムーズに希望の色に近づけると思います。
そして僕が思う大事なことは、今その瞬間の色味や明るさではなく半年後や1年後の自分の髪色やスタイルを想像して薬を選ぶということ。
…でも一度は明るい髪にしてみたいよね!
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